多肉植物を育ててみて、管理方法やだいたいの育て方が分かってきたけど、置き場所問題発生中!や水やりがどうも苦手・・・、もう少し理解したいなど初心者ではない中級者以上の方に向けて説明してきます。
約900種類以上育てている私が自分の経験をもとに解説していきます。
多肉植物の置き場問題
タニラーあるあるですが、ベランダ、玄関、庭など置ける場所に全部置いたけど次はどこに置こう・・・と置き場問題が発生していませか?そんな方は、上へ伸びたり隙間を考えてみましょう。
具体的には、棚やSフック、フック付きカゴなどを使って置く場所を作りましょう。
私がよく使っているのはIKEAの棚とカバーです。
軽いので倒れないように足に重りをつけたり、どこかに縛ったりしましょう。
梅雨時期には雨がしのげるし、真冬は寒さがしのげるのでとても重宝しています。カバーが劣化してきても替えが売っているので安心です。
これもIKEAの棚ですが、上段へ行くほど棚が小さくなっていて光があたりやすくなっています。カバーはありません。
棚すべてに言える事ですが大丈夫だと思っていても、強風が吹いたり中の苗のバランスが悪いと簡単に倒れ、名札は飛びどの苗か分からなくなり、苗はポットから出てしまい、小苗は吹き飛ばされたり痛んだりしてダメージを受けてしまうかもしれません。さらに棚が倒れた先に車があったなら車も傷つきますし、たまたま通った方がいたなら・・・怖いですよね💦倒れないようにしっかりと足もとに重りをしたり、柱などに縛っておきましょう。
隙間に置けそうな棚を活用してもいいですね。屋外で使っていい物か屋内専用かなど、必ず購入する棚を確認しましょう。
物干し竿、車庫、棚などに吊り下げれる鉢などに使えます。
つなげて使える物もありますし、隙間にとても重宝します。このまま使えなくてもSフックを活用すると使える場合もありますよ!100均にもあるので探してみてくださね。
網や紐を壁に沿わせて使ったりするとまだまだ置く場所はあります。例えば室外機の上や奥に突っ張り棒など2本立てて突っ張り棒に網を付け、カゴを引っ掛ければ置き場が増えます。
ベランダの笠木((かさぎ)とは手すりなどの一番上に被せる仕上げ材)の上や壁の上など、下に落ちそうな場所に置くことは危ないのでやめましょう。
CAN(Crassulacean Acid Metabolism)
多肉植物は夜に気孔を開きます。気孔とは葉や茎の表皮にある小さな開口部分の事です。これはCAN(Crassulacean Acid Metabolism)と呼ばれる光合成の仕組みです。
夜間に気孔を開く
多肉植物は夜に気孔を開き、二酸化炭素(CO2)を取り込みます。このタイミングで気孔を開くのは、乾燥した環境に植物が適用した結果で、昼間の暑さで水分が蒸発するのを防ぐためです。
二酸化炭素の貯蔵
取り込んだ二酸化炭素(CO2)は有機酸(リンゴ酸など)に変換され、植物細胞内の液胞(植物細胞内にある細胞小器官)に一時的に貯蔵されます。液胞に水分などの栄養がたっぷり蓄えられることで、植物細胞は内圧(膨圧)を維持し細胞壁を押し広げ、多肉植物の葉をぷっくりさせます。
日中に光合成
昼間になると気孔は閉じられ、多肉植物は貯蔵していた有機酸から二酸化炭素(CO2)を使い、光合成をおこなう為に使います。これにより、多肉植物は昼間に水分を蒸散させることなく、効率よく光合成を行うことができます。
水やり
植え替え後に初めて水をあげる時は下からジャージャー出るまであげて下さい。最初は茶色の水が鉢の下から出ますが、それは土に含まれる有機物や汚れ、土壌に含まれる腐植質(有機物の分解産物)が水に溶け込んでいるので茶色の水が下から出ます。水が透明になるまであげ続けて下さい。
底面給水と言うやり方もあります。バケツやトレーなどに水をはり(その中に液体肥料を入れてもいいですね)水に中に多肉植物を植えたポットや鉢を入れます。湿らせ具合は、春秋なら上まで湿るくらい、真夏や真冬には数秒程度、など季節に合わせて変えて下さいね。
水やりの頻度ですが以前購入した時にお店の方に聞いたら、生産者の方は早く大きくするために水やり頻度は多めだそうです。だからと言ってむやみに水やりをしていたら、苗はダメになってしまいます。自分の栽培環境に合わせて水やりしてくださいね。
春秋
下からジャージャー水がでるまであげ、乾いたらまたたっぷりあげるやり方が基本です。
液肥もこの時期にあげるとより成長を促してくれます。
夏
私が多肉植物をはじめた頃は、夏には水はあげなくても良いとよく聞いていたので、シワシワの苗以外は水をあげていませんでした。しかし最近の猛暑ではカリカリになってしまったり、体調不良になる苗が多発したため2024年の真夏時期には、ほぼ毎日夕方にさっと水やりし、酷暑を乗り切ってもらう為にたまに液肥も与えました。感覚ですが、以前より夏にダメになる苗が少なくなったように思います。
冬
断水気味の管理で、葉が凍ったりジュレたりすることを防ぎます。
しかしまったく水やりしないと心配になってきますよね。水やりする時は天気予報をみて気温が高そうな日の朝にさっと水やりをします。多肉植物は主に夜水分を吸収しますが、夕方に水やりをして夜に土の中に残った大量の水分が凍り多肉植物をダメにしてしまう可能性があるので、私は朝水やりします。
管理方法
まずは
基本は、太陽のひかりが長時間よく当たり、風が良く通る屋外が一番よい置き場所です。
しかしハオルチアやサボテンなど品種によっては、一日中棚の奥下が一番よい環境の品種もあります。さらに他の人は増えて増えて仕方ない品種でも、自分はなぜか増やせずいつも瀕死状態の品種と言う事もよくある話です。苗の個体差もありますが、地域や置き場所、育て方によっても起こることです。
光の量(PPFD)
まず、私は多肉植物の生育は屋外管理、室内なら植物育成ライトが必須だと思っています。なぜなら、PPFDが一定以上必要だからです。足らないと徒長や生育不良、病気になりかねないからです。
光の量はPPFD(Photosynthetic Photon Flux Density)、日本語で光合成光量子束密度で表されます。単位はマイクロモル毎平方メートル毎秒(μmol/m²/s)。多肉植物は約300μmol/m²/s以上、アガベなどは約500μmol/m²/s以上必要とされています。
光の量は目で見て分からないので測定器で測って調べてみる事をおすすめします。特に室内管理をされている方は、自分は良いと思っていても光の量が足らなかったなんて事もあるので調べておきましょう。
ちなみに携帯のアプリでもありますが、スマホに内蔵された光センサーを利用しているので、専用測定器と比べると精度は落ちます。
出窓、カーテンを一枚挟んで、明かる場所に置く・・・なんてよく聞きますが、PPFD測定してみると外との数値との違いに驚くと思いますよ!ぜひ試してみてください(^^♪
春夏秋冬同じ管理方法では多肉植物をダメにしてしまいます。詳しく説明します。
春、秋
家では完全屋外管理にします。棚の奥に入っていてあまり太陽のひかりにあたっていなかった苗などを庭に出し、雨が降っても晴れてもそのままにして管理します。
夏
遮光しなくて強く育てるという育て方もありますがリスクが高いので、家では遮光しています。西日があたる場所は遮光率が高い遮光シートをし、一番早く日陰になる場所は遮光率低めにしています。さらに少しでも気温を下げるために育苗箱にポット(鉢)を入れ管理しているのですが、育苗箱の下に少しでも風が通るように地面と育苗箱の間に石をいれたり、育苗箱をひっくり返し空間を作っています。
毎年夏になると欲しいと思うもの・・・プラスチックパレットです。育苗箱をひっくり返しても一緒の事ですが、一面にこれを置いてその上に育苗箱の中に多肉植物を入れて管理したいです。しかし真冬はこの下の空間から冷気が入るので良くないんですよね~。悩ましいです(笑)
夏から秋にかけて、太陽のひかりが棚の奥にまでだんだん届くようになり、棚の奥の苗が焦げてしまう事がよくあるので、遮光や場所移動をして下さい。
冬
天気予報を見て夜中にどれだけ気温が下がるか確認します。氷点下近い予報や強風、雪が降ったり霜がおりる予報時には夜のみ玄関内に入れたり室内に入れた方が安心です。外に置いてあるなら外気が入らないようにビニールや不織布で覆ったり、毛布、タイル、新聞紙などで包みできる限りの保温をして、朝には太陽の光が入るように取って下さい。
土
ぶっちゃけなんでもいいです(笑)その辺の土でも育つか育たないかと言ったら育ちます。
育てている環境や苗、品種によって合う土があると思います。徐々にどの土が自分家の環境と自分の育て方に合っているのか探してみてくださいね。
どんな土があるかくわしくは👇
まとめ
多肉植物の置き場所問題の解決策に糸口は見つかりましたか?紹介したほかにも、フリマサイトへ出品してみる、大き目の鉢に寄せ植えしてみる、押し付け多肉(欲しいと言われていないのに人にプレゼントする)などもあります。(笑)
CANに関してはさすが乾燥地帯で生きて来ただけはあるな~と感心してしまいました。こういう事も少し分かっていると、水やりや管理もしやすいですよね。
水やりと土は正解がないので永遠のテーマです。昨年とおんなじ水やりと土なのになんで今年はダメなんだ!!なんて事もあります。以前同じ年は一度もないと言われたことがありますがまさにその通りだと思います。だから毎年、失敗と成功の繰り返しです。でも大きくなったり増えたり、紅葉する多肉植物みるとやっててよかったって思っちゃうんです(^^♪
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